強迫性障害あるある第2回目は、加害恐怖と縁起恐怖について紹介する。
①の冒頭で、「普段の生活に支障がない」と書いたが、記事を書きながら支障の有無に疑問を感じ始めたのは気のせいだろう。
■加害恐怖
『加害恐怖』とは、自分が周囲の人や物に対して、何かしでかしてしまうのではないかと恐れる思考のことだ。
確認行為と違い、行動に表れづらいため、気付かれることは少ない。
この思考は、「うっかりやってしまうかもしれない」というパターンと、「自分がそんなことするはずがないのに、なぜか唐突にしてしまうのではないか」と思ってしまうパターンがある。
自分は前者の場合が多い。
具体的には、貴重なものや、他人が大切にしているものを見かけた際、例えば転ぶなどしてそれを破壊してしまうのではないか?という思考だ。
自分はそんなにおっちょこちょいではなく、日々の生活で転ぶことは稀なため、実際には起こりえないと思ってはいるが、一度気にしだすと不安が抑えられなくなる。
そういった場合、不安の対象から距離を置くことにしている。
以前職場に妊婦さんがいたが、間違いが起こらないよう必要以上に距離を置いていたら、その人を避けていると思われたらしく(実際避けていたのだが)、上司から注意を受けた。
また、よく生まれたばかりの子供を他人に抱かせようとしてくる人もいるが、内心、「こいつ正気か?」と思っている。(心配じゃないの?という意味)
「自分がそんなことするはずがないのに・・・」というパターンはもっとぶっ飛んだ思考だ。
例えば、子供を抱いている人を見かけた際、突如その子供を奪い取り、放り投げてしまうのではないか?というもの。
不愉快な例で恐縮だが、Wikiも同様の例を挙げているので許して欲しい。
繰り返しになるが、決してそんな特殊な性癖や願望を持っているのではない。
自分が唐突にそんなことをしてしまったらどうしよう、という、意味不明の恐怖なのだ。
■縁起恐怖
『縁起恐怖』とは、神様を冒涜する行為をとってしまわないかといったものや、ジンクスを異常に気にするなどの思考や行動だ。
私はジンクスを非常に気にする。
子供のころから、祖母や母に、食事のマナーレベルでジンクスを教育されたためである可能性も否めない。
小学生のころ、祖母の家でザルを見つけたとき、時代劇の浪人を模してそのザルを頭にかぶったら、烈火のごとく怒られた。
散々怒られた後に理由を聞くと、「身長が伸びなくなるから」だそうだ。
ザルと身長の因果関係については、今もってなお解明できていない。
しかしこの経験から、もし自分の子供がザルをかぶろうとしたら全力で止めてしまうだろう。
「夜に口笛を吹くな(鬼が出るため)」、「雨の日に新品の靴を下ろすな(その靴を履くたびに雨が降るため)」などもある。
これらはいわば「教育」の賜物によって避けているため、強迫性障害とは異なる可能性もあるが、折角なので、私が特に気にしているジンクスを2つ紹介する。
日々の生活で不便を感じるジンクスに、「男が机の角に座るな」というものがある。
理由は、「出世できなくなるから」だそうだ。
女性は別にいいらしい。
男尊女卑っぽいジンクスだが、おそらくこのジンクスを言い出した人たちは、仕事で女性が活躍する未来を想像できなかったに違いない。
ともかく、これによって、主にカラオケと飲み会で不都合を感じる。
カラオケの場合、奇天烈な机配置が多いため、場所によっては思い切り角を受ける席が存在する。
基本的には問題ない位置を陣取るようにしているが、遅れて行った場合はそういう席が空いていることが多い。
この場合、不必要に寄ることで角を避けるが、「近い」と指摘されることもしばしばある。
飲み会では、最初はいいのだが、コミュニケーション能力豊かな迷惑極まりない方々が移動を始めると、なぜか角しか座る場所がなくなったりする。
後から予定外の人が合流するとその確立は跳ね上がる。
最悪の場合、立ってやり過ごすこともある。
言い訳は「トイレ待ってます」。
意図せずトイレに行きたい人を牽制してしまうため、使用には注意が必要だ。
もうひとつのジンクスは、「悪夢を見たら他人に話せ」というものだ。
言わないと正夢になってしまうらしい。
このため、悪夢を見た日は、その夢がどんなに恥ずかしいものや人に言いづらいものであっても話すことにしている。
相手は主に親友のSだ。
彼にはこのジンクスのことを話しているため、「ちょっと悪夢見ちゃってさ・・・」というと、「お、例のジンクスか」といって快く聞いてくれる。
夢の内容は大概が取り留めのないもので、話し終わった後、「だから何?」と私自身思うのだが、何も言わず笑いながら聞いてくれるSに非常に感謝している。
持つべきものは友だと心底思う。
・・・つづく
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