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コミュ障の脱サラブログ

山に人生を捧げた男の物語『神々の山嶺』【マンガレビュー】

 

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「好きなことに人生を費やす」

 

誰しも憧れることではあるが、そうそうにできるようなものでもない。

生きるには金を稼がなければならないし、やりたくないことに時間を割かねばならないときもある。

 

『神々の山嶺(かみがみのいただき)』は、そんなしがらみの一切を捨てて、自分のすべてを捧げた男の物語だ。

 

本作は、エベレストの登山を主題としたフィクションであるが、要所要所に混ぜられた史実や、登山に対する詳細な描写などから、本家登山家にも高い評価を得ている作品だ。

小説、マンガ、映画とメディア展開されている。

 

今回は、マンガ版『神々の山嶺』をレビューする。

 

 

■概要

原作は、『陰陽師』など多数の人気作を執筆する「夢枕獏」。

まるでその時代、その場所で生きていたかのような、リアルな描写を得意とする。

1994~1997年に連載され、1997年に上下巻で刊行された。

 

マンガ版は『孤独のグルメ』で有名な「谷口ジロー」が作画を手がけており、全5巻で単行本化されている。

「ムシャムシャ」「モグモグ」「ズズー」など、単純な擬音を多用する独特な食事シーンが特徴。

 

ネットに本作の食事シーンが出回ることもよくある。

水分はどんなに摂っても摂りすぎるとうことはない

 

なお、2016年には、阿部寛主演で映画化された。

 

■あらすじ

カメラマンの深町は、エベレスト登山隊の撮影を終え、カトマンズの街をあてもなくさまよっていた。

 

そんなとき、ふと立ち寄った古道具屋で、年代物のカメラを見つける。

深町は、そのカメラが、1924年にエベレストの頂上を目指した「ジョージ・マロリー※」のものではないかと睨み購入する。

 

深町は、カメラの購入によって、登山家達の間で名の知れた羽生と出会う。

カメラがマロリーのものか調査する深町だったが、取材を重ねるに連れ、徐々に興味が羽生へと移ってゆく。

 

やがて深町は、羽生が成し遂げようとしている偉業に気付き、カメラマンとして彼に同行することを決意する。

 

※ジョージ・マロリー

実在の人物で、人類で初めてエベレストの頂上を踏んだ「かもしれない」男。

頂上に向かう姿が確認されるも、生還できなかったため、実際に登頂したか不明。

本作では、「マロリーは登頂したのか?」についても言及され、本作品なりの答えを示している。

 

■見所と難点

本作の見所は、やはり登山シーンだろう。

私は登山経験がないため、真偽のほどはわからないが、かなり細かく描写されている。

高山病の症状やそのつらさなど、まったく知識がなくても、読んでいて焦りを感じてしまうほど生々しく描かれている。

 

また、日々を流されるままに過ごす無力感から、高い山を攻略したときの達成感まで、人間の心理描写も見事に表現されている。

影響されやすい自分などは、本作を読んで「ちょっと山に登ってみようかな」と、わりと本気で考えてしまうほどだ。

 

・・・もっとも、登り始めてすぐに後悔することになるのだろうが

 

さらに、上述したように食事シーンも魅力のひとつだ。

なんでもない食事内容のうえ、おっさんふたりがほぼ無言で黙々と食っているだけなのだが、妙においしそうに感じてしまうのだ。

 

難点は、前置きが非常に長い点と、専門用語が多い点があげられる。

主人公はカメラマンの深町だが、物語の主軸となっているのは羽生である。

物語は、深町が羽生の関係者に取材し、彼の過去をたどっていく、という流れで進行する。

 

羽生の人間性を表現する上で重要なシーンではあるが、飲み会で熱く語るシーンや女性関係など、中盤まではいささか退屈なシーンが続く。

また、描写される羽生が、自己中心的で他者への配慮が一切ないなど、いい性格とはいえないため、より読み進める手が遅くなる。

 

それでも、終盤エベレストに挑むシーンは息つく暇もないため、それまでとは打って変わって一気に読みきってしまった。

 

■まとめ

本作『神々の山嶺』は、山に興味がある人、何かに夢中になりたい人にとって最適な作品だと考える。

全5巻のため、1日あれば読み切ることができるだろう。

 

「好きなことに人生を費やす」ということがどういうことなのか。

それがどういう生き方で、またどのような結末を迎えるのか、気になる方はぜひ一度手にとってみてはいかがだろうか

 

 

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感想(11件)

【幼児、幼稚園生、小学生】休日のお出かけに!『東京おもちゃショー2018』レポート【男の子も女の子も】

梅雨が近づき、雨模様の日が多くなってきた。

そんな休日、子供と遊びにいく場所にお悩みではないだろうか?

 

今週末(6/9,10)は、子供が大好きなおもちゃのビッグイベント、『東京おもちゃショー2018』が開催される。

様々な新作おもちゃで1日遊べるイベントだが、参加費が無料なのがうれしい。

 

筆者は、一般公開に先立って開催された見本市を取材させていただいた。

そこで、本イベントの概要や見所をご紹介したい。

興味があった方や、週末の過ごし方にお悩みの方の参考になれば幸いだ。

 

 

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なお、出展企業が多く会場も広いため、公式HPのフロアマップをみながら、あらかじめ足を運ぶ企業を決めておくことをおすすめしたい。

 

なお、見本市と一般公開では、出展ブースによって一部内容が異なる場合があるため、あくまで参考として活用いただければ幸いだ。

 

 

 

 

■概要

東京おもちゃショーは、(一社)日本玩具協会が主催する、国内最大規模の玩具の展示会です。本年の会期は2018年6月7日(木)~10日(日)の4日間です。最初の2日間は、ビジネス関係者向けの「商談見本市」、後半の2日間はお子様・ファミリーなど一般の方にお楽しみいただける「一般公開」となっています。(東京おもちゃショー2018公式HP)

 

www.toys.or.jp

 

日程 :2018年6月 9日 (土) 9:00~17:00

            2018年6月10日(日)   9:00~16:00

会場 :東京ビッグサイト 西1~4ホール

入場料:無料

 

■幼児向け

・アンパンマン

アンパンマンは、幼児に人気のあるコンテンツのひとつだ。

本イベントでは、1ホールの壁際、『1-01』から『1-04』ブースがアンパンマンで埋め尽くされている。

 

『1-01』セガトイズブースでは、親子で楽しめる「くみたてDIY体験!」イベントを行っている。

 

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このイベントは、アンパンマン号やバイキンUFOなどを、自分の手で組み立てることができる。

専用の電動ドライバーも置いてあり、なかなか本格的だ。

 

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なお、それぞれのマシンに使用されているネジは共通のため、アンパンマン号とバイキンUFOを組み合わせた、オリジナルのメカも製作できる模様。

子供の想像力を期待したい。

 

また、『1-03』アンパンマンガーデンブースでは、子供用の滑り台が設けられている。

例年人気らしく、相当な行列になるとのこと。

 

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また、こちらのブースでは、中央でアンパンマンショーも実施される。

滑り台に並んでいる最中にショーが始まってしまわないよう、親同士の高度な読みあいも繰り広げられる可能性がある。

 

『それいけ!アンパンマン みんなでおどろう♪ ミニステージ』開園時間

6月9日(土)
①10:30~ / ②11:30~ / ③13:30~ / ④15:00~(各回20分)
6月10日(日)
①10:30~ / ②【12:40~】 / ③ 【13:30~】 / ④【14:30~】(各回20分)

【】内は時間変更あり

(公式HP)

 

さらに、『2-01』バンダイブースでは、「アンパンマンタウン」シリーズや、新作おもちゃである「ひらめきキューブ」シリーズが展示されている。

 

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「ひらめきキューブ」シリーズは、ブロックに磁石が埋め込まれており、自分でアンパンマン号を組み立てたり、図形遊びをしたりすることのできる知育おもちゃだ。

こちらは、ブースで実際に触って遊ぶことができるとのこと。

 

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・トーマス

トーマスも幼児に人気だが、本イベントでは、あちこちに出展している。

このため、トーマスを狙って歩き回るのは骨が折れるだろう。

 

『2-8』マテルインターナショナルブースでは、トーマスのミニチュアを展示している。

なお、こちらのブースではバービー人形も展示されている。

 

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4階の『K-03』ソニークリエイティブプロダクツブースでは、無料でトーマスに乗車することができる。

昔デパートの屋上でよく見かけたものだ。

こちらもかなり並ぶらしいので、事前にチェックしておきたい。

 

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・乗り物系

個人的に興味を引かれたのが、『1-86』PP POLESIEブースだ。

こちらはヨーロッパのベルラーシ共和国製のおもちゃが展示されている。

 

特徴的なのが、なんといってもそのニッチなラインナップだ。

土木作業用の車両や、攪拌タンクのおもちゃなどが展示されている。

 

スタッフの方によると、インスタグラムのフォローか500円の入場料で、中のおもちゃに触ることができる。

 

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また、『2-33』アイジュブースでは、電動の乗用玩具(子供用が乗る車のおもちゃ)が展示されている。

かなりよくできており、概観は小さな車そのものといえる。

事故を防ぐため、遠隔操作できるリモコンも付属している親切設計。

 

なお、カタログの最高価格はフォードの89,800円。

 

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■幼稚園生向け

幼稚園にあがると、仮面ライダー、戦隊物、ウルトラマン、プリキュアなどに興味が出てくる頃合だ。

この年齢層は、やはり『2-01』バンダイが強い。

妖怪ウォッチやピカちんキットなども併設されているため、小学生も楽しめる。

 

このブースでは、様々な年齢層、ジャンルのおもちゃが取り揃えられている。

 

入り口付近では、新作の筐体ゲームを体験することができる(プレイ料金が必要)。

ガチャポンで入手したフィギュアと連動させて遊ぶ「スーパードラゴンボールヒーローズ」や、「アイカツ」で遊ぶことができる。

 

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たまごっちコーナーでは、たまごっちミックスを持っている人に、会場限定のダウンロードアイテム(オリジナルリビング)や、限定の遺伝子を持った「つうしっち」と結婚などの特典が用意されている。

 

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また、プリキュアコーナーでは、「キュアマシェリー」と「キュアアムール」をイメージした、オリジナルサンバイザーを配布する。

なお、10日限定でプリキュアショーも開催。

 

仮面ライダービルドコーナーでは、作中に使用されたすべてのボトルが展示されており、圧巻の一言。

 

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これを見て、子供にねだられてコンプリートせざるを得なかった親御さんは本当にすごいと思った。

なお、最強のボトルである「ジーニアスフルボトル(未発売)」も展示されている。(触ることはできない)

 

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続いて、ルパンレンジャーvsパトレンジャーだ。

このコーナーでは、近々登場する「ルパンX」と「パトレンX」を含めた8人の等身大人形が展示されている。

気になる変身アイテムと専用ロボも見ることができる。(未発売新商品のため写真撮影はNG)

 

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ウルトラマンコーナーでは、7月7日放送開始の「ウルトラマンR/B(ルーブ)」を展示。

こちらも変身アイテム「DXルーブジャイロ」を確認することができる模様。

しかしやはり写真撮影はNG。

 

10日はステージで、「アイカツフレンズ!」の歌と声を担当するユニット「BEST FRIENDS!」の3人が登場し、最新楽曲を披露する。

アイカツファンの女の子や大きいお友達必見のイベントだ。

 

■小学生向け

小学生になると、ゲームで遊ぶことも多くなる。

先述した「妖怪ウォッチ」は、新作情報をバンダイブースで確認できる。

 

また、日本おもちゃ大賞2018のイノベイティブ・トイ部門で優秀賞を獲得した「爆釣バーハンター」の各種アイテムも展示。

なお、9日には人気YouTuberであるヒカキン&セイキンによる、爆釣対決ショーも予定されている。

 

『1-49』インフォレンズ インクブースでは、大人気ゲーム「Minecraft」の公式グッズを購入することができる。

おなじみのクリーパーカーや、クリーパーのぬいぐるみ、クリーパーのフィギュアなどを販売している。シュー

 

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もちろんその他のアイテムも充実。

中でも、試験的に製作および販売するという、こちらの商品

 

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            一見するとダイヤの剣が・・・

 

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                開くと傘に!

 

こちらの商品、なんと限定30本とのこと。

 

また、こちらのブースで合計2,500円以上買い物をされた方には、限定のクリアファイルが贈られる。

 

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ファイルの配布は先着500名。

スタッフの方に教えていただいたが、こちらのファイルはかなりこだわって製作したものらしい。

どういうことかというと、Minecraftはあらゆるものが正方形でできていないといけない。

そのため、ファイルのエッジ、つまり縁の部分で、正方形を崩すわけにはいかないのだ。

なるほど、よく見てみると、きっちりと正方形に収まっている・・・

 

そのほか、チェストボックスやTNT爆弾型のおもちゃ箱、ダイヤのピッケル、エンダーマンタオルなど、品揃えが豊富なため、ファンの方はぜひ足を運んでいただきたい。

 

さて、体を動かすのが好きな小学生ももちろん多いだろう。

そんなご家庭には、『2-07』サーパストレーディングブースで、くねくねスケートボード「SPOON RIDER」を体験することができる。

こちらは前輪部分が体重移動によって左右に動く仕組みとなっており、地面を蹴ることなく前進することができる。

 

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私もやってみた。はたから見たら酔っ払いのような挙動

 

 『4-05』シー・シー・ピーブースでは、画期的過ぎるおもちゃ、「トイレットペーパーブラスター」を体験できる。

その名のとおり、トイレットペーパーと水を弾丸とした銃型のおもちゃだ。

 

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飛距離は9mとなかなかのものだが、トイレットペーパーのためそんなに痛くない。

ためしに自分の手を撃ってみたので信憑性は高い。

ただし、当たり所によっては多少のダメージが発生する。

個人的には、リロードが好みだった。

ハイセンスなリロードを要求されるため、銃が好きな方はぜひ自ら試していただきたい。

 

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なお、シー・シー・ピーブースでは、「からふるくみくる」という、ブレスレットを自作できるおもちゃも体験できる。

昔でいうところのミサンガが、レシピ通りに専用のボビン(ミシンの針の下に入れるもの)をセットしてハンドルを回すだけで、簡単に作れるのだ。

 

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シンプルな機構ながら、複雑な動きをするボビンたちは見ていて飽きない。

このおもちゃで作ったブレスレットは、本ブースで定期的に配布するとのことなので、興味のある方は足を運んでみてはいかがだろうか。

 

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車が好きな子供は、早く自分で運転したいと思っているだろう。

そんなときは『K-05』TOYOTAブースがおすすめだ。

ここでは、中型サイズの自動車を実際に運転すること(「旅体験コース」)ができる。

 

運転資格として、身長が130cm以上であることが条件だ。

身長が条件に満たなくても、「クルマ体験コース」で動かすことはできないが、運転席に座ることは可能。

 

「旅体験コース」は、180°がスクリーンでできたブース内で、様々な風景の中でのドライブを体験できる。

ドライブ映像の上映中はクルマを停めていなければならないが、 ブースへの入退場は、実際にアクセルとブレーキによる運転を体験できる。(約10mほど)

 

約12分の「旅体験コース」に参加すると、記念写真をもらうことができる。

車の運転を経験してみたいお子様にはいい経験になるのではないだろうか。

 

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■大人向け

 

大人の楽しみ方は人それぞれだ。

私は、バンダイブースを大はしゃぎで回らせていただいた。

仮面ライダーとか好きなので。

 ほかにも、「聖闘士星矢」や「STAR WARS」のフィギュア、今年25周年を迎える「セーラームーン」など、様々な見所がある。

 

『2-04』Kawadaブースのnanoblockは、がしゃどくろや富嶽三十六景などの芸術的な仕上がりの作品を見ることができる。

 

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子供との屋内遊びのために、『1-51』フリージアエンタープライズブースの「リベリウム」を体験してみてはどうだろうか。

 

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「リベリウム」は、プラスチック製のカードで、4辺に小さな穴が開いている。

この穴にカードを刺してバランスをとりながら、オブジェクトを築いていく。

「崩したほうの負け」というルールで対戦形式にしてもいいし、もくもくと芸術的にくみ上げるのもいい。

 

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ありそうでなかったおもちゃだといえる。

リベリウム公式HPはこちら

 

『4-34』ホビージャパンブースでは、海外製のボードゲームを取り扱っている。

「やりだすと会社を辞めたくなる」とまで言われる人気PCゲームの「Civilization」や、同じくPCゲームの「fallout」をボードゲーム化したものが展示されている。

気心知れた友人と興じる卓上ゲームは、年齢を忘れて没頭できる。

 

■会場情報

・アクセスについて

公式HPにも記載されているが、駐車場は会場から遠く、混雑が予想されるため、公共交通機関の利用がすすめられている。

 

交通アクセス|東京おもちゃショー2018 INTERNATIONAL TOKYO TOY SHOW

 

なお、混雑時は、駅からビッグサイトまで行列ができる可能性がある。

当日の天気予報は雨のため、コンパクトに収納できる雨具を準備しておいたほうがいいだろう。

 

・食事について

会場内にフードコートが設置されているものの、席数は多くない。

ビッグサイト内にレストランが何件か入っているが、こちらも混雑が予想されるため、かんたんな弁当の持参をおすすめする。

 

なお、既に夏のような気候になりつつあるばかりか、子供たち(と大きなお友達)の熱気がすさまじいので、水筒などの準備を忘れずに。

こまめな水分補給を心がけたい。

 

・乳幼児をお連れの方へ

会場には、随所にベビーカー置き場が設けられているので、安心して利用できる。

ただし、かなりの数のベビーカーがまとめて置かれるため、見失わないよう、わかりやすい目印をつけておくと便利だ。

 

 ■まとめ

以上が、『東京おもちゃショー2018』の取材内容だ。

もちろん、今回記事にした以外にも、様々な企業が出展している。

 

スナッグゴルフ体験や、10年後の自分への手紙を入れたオリジナル缶詰の作成体験、パラリンピック競技体験 (元パラリンピック選手も来場)など、紹介しだしたらきりがない。

 

剣玉や独楽など、昔自分が遊んでいたものが、現代の技術でどのように進化しているのか?

今の子供はどんなおもちゃに夢中になっているのか?

本イベントに1日参加するだけで、関心や感動を得られるだろう。

 

どの年齢の子供も大喜び間違いなし、大人も実は楽しめる『東京おもちゃショー2018』

この週末に、遊びに行ってみてはいかがだろうか

 

 

 

大人も楽しめる特撮レビュー:『仮面ライダー龍騎』

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今回は特撮である『仮面ライダー龍騎』をレビューする。

 

『特撮』と聞くと、「子供が見るもの」と思ってしまう人が多いかもしれない。

私も以前はそう思っていた。

 

しかし、今回紹介する『仮面ライダー龍騎』を見て、考えを改めた。

 

「これは子供に見せるものではない」と。

 

私は、この作品を是非大人の方々に見て欲しいと思い、「興味がなかった人にちょっと見てみたいと思わせる」ことを目標にレビューしてみる。

 

まずは興味を持っていただくために、最初に見所を2つ紹介する。

 

1. 仮面ライダーが13体登場する

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2. 13体のライダーが殺し合いをする

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順を追って説明させていただこう。

 

まず、『仮面ライダー』について簡単に紹介する。

 

仮面ライダー』は、1971年に放送を開始した特撮ヒーロー番組だ。

原作は、『サイボーグ009』などを手がけた石森章太郎

 

シリーズ化しており、1971~1988に放送されたものが「昭和ライダー」、2000年以降に放送されたものが「平成ライダー」と呼ばれている。

 

今回紹介する『龍騎』は、2002年に放送された、平成ライダーとしては3作目の仮面ライダー

 

キャッチコピーは「戦わなければ生き残れない!

 

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仮面ライダー龍騎の主人公は、底抜けにお人よしな城戸 真司(きど しんじ)。

ジャーナリストである彼は、最近頻発している行方不明事件を追っていた。

 

その過程で、

 ・鏡の中にモンスターが生息していること

 ・行方不明者は、そのモンスターに捕食されてしまったこと

 ・モンスターを退治する、仮面ライダーという存在がいること

を知る。

 

自らもモンスターに狙われていた真司だが、人々を守るため、仮面ライダーになることを決意した。

 

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               仮面ライダー龍騎/城戸 真司

 

仮面ライダー龍騎となって、鏡の中でモンスターを退治していた真司であったが、他のライダーから突然襲われることになる。

 

1. 仮面ライダーが13体登場する

仮面ライダーはモンスターを倒すために生まれた存在ではなかった。

ライダーシステムを構築した神崎 四郎(かんざき しろう)は、ある目的のため、

「ライダー同士のバトルロワイアル(ライダーバトル)に勝ち残ったものは、好きな望みを叶える

として13人のライダー志願者を募っていた。

このため、各々のライダーは、それぞれ目的を持って戦いに挑んでいる。

 

もっとも、その目的の多くは共感しがたいものがほとんどだ。

 

■ライダーの目的抜粋 ()内は自分の感想

 ・事故によって植物状態となった婚約者の回復 (わかる)

 ・永遠の命 (自分は欲しいと思わないがわからんでもない)

 ・金持ちになりたい (わかるけどヒーローとしてどうなの)

 ・英雄になりたい  (ピンとこない)

 ・殺人罪をなかったことにする (ちょっと何いってるかわからない)

 ・特になく、殺し合いそのものが楽しい (戦闘狂かっこいい)

 

下2人は、ライダーどうこうより人としておかしい気もするが、こういうメンツがライダーとなっている。

 

2. 13体のライダーが殺し合いをする

前述の目的のため、13人は殺し合いを行う。

殺し合いであるため、死亡シーンも当然存在する。

 

あるものはモンスターに頭から食われ、あるものは友人だと思っていた人に裏切られ、あるものは「たまたまそこにいたから」という理由で。

 

それぞれがとてもインパクトのある死に方をしているため、そこも見所のひとつといえる。

あえて1人挙げるとするならば、仮面ライダーインペラーである佐野 満(さの みつる)だ。

 

彼は登場回数が少なく、また好ましい性格のキャラクターではなかったが、死に至るまでのプロセスと、当該シーンの迫真の演技は必見。

 

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 佐野の最後

 

いかがだっただろうか。

ネタバレを控えたため、概要のみの紹介となってしまったが、概要だけでも「子供に見せるものではない」ことがうかがえたと思う。

 

また、結末は非常に衝撃的であるため、ぜひとも実際に視聴していただきたい。

なお、全50話すべてを見るには20時間弱を要するため、外出したくない休日のお供にお勧め。

 

このレビューを見て、『仮面ライダー龍騎』に少しでも興味を持っていただければ幸いだ。

【レビュー】仕事が思っていたのとは違うと感じたときに観たいおすすめの映画:『ズートピア』【あらすじと見所】

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社会に出るとき、誰もが不安と同時に夢や期待を抱くのではないだろうか?

 

「きっと自分はこれだけのことができる!」という、根拠のない自信がどこかにあるからだ。

しかし多くの場合、その期待は裏切られ、自身は砕かれることが多い。

 

今回紹介する『ズートピア(邦題:ZOOTOPIA)』は、そんなときにおすすめしたい映画だ。

2016年にウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオから送られた本作は、3Dアニメーションで表現されたコメディー・アドベンチャー

 

舞台は、哺乳類が高度な進化を遂げ、現代の人間のように暮らす世界。

人間は存在しない。

その世界には、「ズートピア」という、肉食動物も草食動物も手を取り合って暮らす、夢のような街がある。

主人公はその街で自らの夢をかなえるために奮闘する、というサクセスストーリーだ。

 

ディズニー作品、アニメ、動物がいっぱい、と、子供向け作品の印象を受けるが、前述の通りサクセスストーリーであることから、入社して間もない方や、仕事でうまくいっていない方にぜひともおすすめしたい1本だ。

 

そんな本作の概要を紹介する。

 

1. 草食動物として初めての警官を夢見るジュディ

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主人公は田舎のにんじん農家で育ったウサギの「ジュディ・ホップス」。

彼女は、幼い頃からズートピアで警官になることを夢見ていた。

 

しかし、保守的な両親からは、「草食動物の警官なんて前例がない」と反対される。

それでも自分が警官になれると信じて疑わないジュディは、警察学校でバカにされながらも、努力によって主席で卒業し、見事ズートピアの警官となる。

 

2. 思い描いてたのとは違う日常

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ズートピアでは連続行方不明事件が起こっており、その捜査を期待していたジュディだったが、配属初日に言い渡されたのは駐車違反の取り締りだった。

 

署長に異を唱えるも相手にしてもらえず、しぶしぶ取り締まりを始める。

 

重要な事件に関与させてもらえず、草食動物として能力を低く見られていると感じたジュディは、早くも思い描いていた日常との差に落胆していた。

 

3. ニックとの出会いとクビをかけた捜査

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そんなある日、詐欺によって生計を立てるキツネの「ニック・ワイルド」と出会う。

違法な商売を行う彼を逮捕しようとするも、何枚も上手なニックにあしらわれ、見逃すしかなかった。

 

そんな時、ジュディは偶然、窃盗の現行犯を見つける。

他の警察官の制止を無視し、自身の能力を証明するために単独で犯人を追うジュディ。

 

犯人はネズミが生活する区画に逃げ込んだため、確保までにわりと甚大な被害を出したものの、無事逮捕することができた。

 

ところが、命令無視や市民を危険にさらしたことから、署長にクビを言い渡される。

しかしジュディは、行方不明者の家族と事件解決の約束を(勝手に)したことで、48時間の猶予を与えられる。

 

自身のクビをかけて捜査に望むジュディだが、捜査資料の少なさや権限のなさから難航する。

そんな中、彼女は詐欺師としてズートピアの犯罪に詳しいニックを思い出す。

 

ジュディはニックをはめることで、捜査に協力させることに成功した。

 

4. 犯人逮捕とジュディの辞職

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切れ者なニックの協力もあり、行方不明者を救出し、事件を解決したジュディ。

 

しかし、記者会見で、今回の事件を肉食動物と関連付けて話したことから、肉食動物であるニックの信頼を失ってしまう。

それだけでなく、ズートピアで肉食動物を迫害する動きにまで発展してしまった。

 

自身の安直な発言により、夢の街を壊したことに後悔するジュディ。

事件を解決したヒーローとして草食動物の人気を集めていた彼女だが、自分のことを許すことができず、夢だった警官を辞職して田舎に戻った。

 

しかしそこでジュディは、まだ明らかになっていない事件の真相に気付く。

 

ズートピアに戻った彼女は、真相を解明するため、相棒のニックを探す・・・

 

見所

以上が本作の概要だ。

例によってネタバレ防止のため、ストーリーの結末は伏せさせていただいた。

 

この映画の見所は、なんと言っても各キャラクターがとても魅力的に描かれていることだろう。

 

ヒルで飄々とした切れ者のニックはもちろん、ナマケモノのフラッシュやイイズナのウィーゼルトン、『ゴッドファーザー』を意識したであろうMrビッグなど、それぞれキャラが立っていて非常に面白い。

 

なお、中盤に登場するニュースキャスターは、公開された国によって動物が異なる。

原作ではヘラジカだが、日本はタヌキ、中国はパンダといったように、その国を代表する動物になっている。

 

また、各所にちりばめられた伏線もきっちりと回収されており、見返すたびに新しい発見ができる。

パロディも取り入れられており、1度の視聴ではすべてに気付くことは難しいだろう。

場面の切り替えもテンポがよく、だれることなく楽しめる。

 

中でも、ウィーゼルトンの登場シーンは、パロディの面とテンポの面で私のお気に入りだ。

 

なお、ブルーレイには特典映像として、構想段階の本作を絵コンテレベルで視聴することができる。

こちらは本編とはまったく異なるストーリーだが、これはこれで面白そうな出来だった。

肉食動物に、興奮すると電気が流れる首輪がつけられるなど、だいぶ悲壮感のある設定だったが、どのような結末なのか、非常に気になった。

 

まとめ

全体としてよくできており、何度観ても楽しめる内容だと自信を持って紹介できる映画だ。

事件の真相についても、ミスリードやどんでん返しなどが盛り込まれており、刑事物としても満足のいくストーリーだった。

 

ただ、正直なところ、私はジュディがあまり好きではない。

夢のために努力するのは褒められるべきことだし、行動力もあるが、いかんせん自信過剰なところが目に付く。

 

配属初日に重大事件の捜査に当たってしかるべきという発想は、あまりにも自分を過大評価しているように思う。

 

そして、警察の署長は、終始まっとうなことを言っているのだが、主人公であるジュディと対立してることで敵のように見えてしまう。

 

例えば、田舎から出てきたジュディを、初日に駐車違反の取り締まりに配属した点についてだ。

これは、警官として街の作りや各地域の特性を把握させるためだったのではないか。

各地域に生息する動物や治安を知るには、駐車違反の取り締まりはうってつけの業務だと思う。

 

また、序盤でジュディにクビを言い渡すが、これについても、命令を無視して単独で捜査に当たった上、多数の市民を危険にさらしたことを考えれば妥当ではないだろうか。

 

そもそも、初登場時にジョークを交えながら部下の誕生日を祝うなど、普通にいいやつであり、私は大好きなキャラだ。

 

いかがだっただろうか?

仕事を始めて、「こんなはずじゃなかった!」と感じたときは、ぜひこの『ズートピア』を観て、自分を元気付けてあげて欲しい。

 

 

 

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【映画レビュー】群像劇の代名詞、グランドホテル方式の原点:『グランド・ホテル』【あらすじと見所】

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群像劇とは、ひとつの舞台で複数のキャラクターが独立した物語を展開するが、全体を見るとひとつの物語として成り立つ表現手法のこと。

ガイ・リッチーが監督する映画『スナッチ』や、アニメ『バッカーノ!』などが有名。

 

この群像劇を世に知らしめた、金字塔ともいえる作品が『グランド・ホテル』だ。

金字塔過ぎて、群像劇のことを「グランドホテル方式」と呼ぶようになったほど。

 

今回はそんな『グランド・ホテル』をご紹介したい。

 

『グランド・ホテル(原題:Grand Hotel)』は、1932年に公開されたアメリカの映画だ。

当時としては斬新なストーリー展開であったことから、アカデミー賞最優秀作品を受賞した。

 

ここからは、物語の概要を、登場人物ごとにお届けする。

 

1. 紳士的な泥棒「ガイゲルン男爵」

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ガイゲルンは、グランド・ホテル内でも顔の知れた紳士だ。

しかしその本業はホテル荒らしで、宿泊客の貴金属を盗むことで生計を立てていた。

 

詳しく語られないが、組織に属しているようで、ターゲットやノルマなどがある様子(本人は脅されていると供述)。

今回のターゲットはグルシンスカヤが所持する真珠のネックレスで、これを手に入れるため、彼女に近づいた。

 

一方で、非常に人当たりがよく、女性の扱いにも長けていることから、真実を知らない人々は彼を友好的に捉えている。

見るからに人付き合いが苦手そうなクリンゲラインにも、友人として遊びに連れて行くなど、面倒見のいい面も見せた。

 

グルシンスカヤの部屋に盗みに入ったところ、彼女と鉢合わせることになる。

一晩中語り合ったことでグルシンスカヤに恋をしたガイゲルンは、プライドからか彼女のネックレスをあきらめた。

 

ガイゲルンは、グルシンスカヤと穏やかな日常を送るため、自力で金を集めて組織を抜けることを決意する。

 

2. 人気と自信を失ったバレリーナ「グルシンスカヤ」

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グルシンスカヤは名の知れたバレリーナだった。

巡業のため、劇場とグランド・ホテルを往復する毎日を送る。

 

しかし、最近は人気が落ちており、空席の目立つ劇場で踊ることにむなしさを感じ、自信をなくしていた。

自らの栄光が過ぎ去ったことを悟った彼女は、ホテルの自室で自殺することを考える。

 

そんな時、グルシンスカヤのネックレスを盗みに入っていたガイゲルン男爵と鉢合わせる。

彼はグルシンスカヤのファンだと言い、自殺しようとする彼女を慰め、一晩中話を聞いた。

 

二人は互いに惹かれあい、巡業が終わったら二人で暮らすことを約束する。

これによって自信を取り戻した彼女は、自分はまだ踊ることができると確信し、ハイテンションで巡業に出かける。

 

彼女の踊りは大盛況のうちに終わった。

 

グルシンスカヤは、ガイゲルンに成功を報告するため、彼に電話をかけた。

 

3. 成功を夢見る口述筆記記者「フレムヒェン」

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フレムヒェンは、フリーで口述筆記を行うタイプライターだ。

プライジングに雇われ、グランド・ホテルを訪れた。

 

慢性的に金欠であることから、ヌードモデルをして金を稼いだり、食事を1日に1回にするなど、生活のためにその身を削っている。

なお、旅行が趣味らしく、頻繁に友人と海外旅行に行くらしい。

 

フレムヒェンは、グランド・ホテルを訪れた直後にガイゲルン男爵に出会い、口説かれることで恋に落ちる。

しかし、ガイゲルンがグルシンスカヤに惚れたことで、「口説かれた翌日にフラれる」という悲惨な目にあう。

 

直後にプライジングから関係を迫られたフレムヒェンは、金のために受け入れることを決意し、プライジングの部屋に向かう。

 

4. 取引を焦る社長「プライジング」

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プライジングは、経営難に陥った会社の社長だ。

 

なぜかモップの販売と輸出に力を入れている。

作中ではモップを作っていることしか明らかにされていない。

 

グランド・ホテルには、他社と経営統合の会議をするために滞在している。

 

経営統合には、他国の大企業との提携が条件とされていたが、会議の直前、その企業から提携拒否の連絡を受けてしまう。

経営統合が結べないと会社の存続にかかわると焦ったプライジングは、とっさに提携が決まったとうそをつく。

 

これまで誠実に生きてきたと自負しているプライジングは、自分の不誠実な行動にショックを受け、気晴らしのためにフレムヒェンに不倫を持ちかける

 

プライジングは、高額な報酬と仕事の継続を餌に、フレムヒェンを自室に招いた。

 

5. 余命わずかの社畜「クリンゲライン」

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クリンゲラインは、プライジングの経営する工場に長年勤務し、安い給料で奴隷のように働かされていた。

しかし、余命がわずかであることを宣告される。

 

残りの人生を楽しもうと、こつこつと貯めていた貯金を使って豪遊するために、グランド・ホテルを訪れる。

これまでまじめに生きてきた彼は、豪華なホテルで高い酒をのむなどして必死で自分を満たそうとしていた。

 

そんな彼は、ガイゲルン男爵やフレムヒェンと出会い、本当に幸せだと思える時間を過ごす。

 

見所

以上が本作の概要だ。

 

見所はやはり、複数の登場人物が織り成す物語がひとつになっていく表現技法の部分だと思う。

最近ではこういった手法があふれているため、残念ながら斬新さを感じることはできないが、公開当事に本作を見た人は大いに感動したことだろう。

 

本レビューでは、主要となった5人を紹介したが、このほかにも、出産を待ち望むホテルのボーイや、手紙を待ち続ける医者など、サブキャラクターが作品を盛り上げている。

それぞれのキャラクターがどのような結末を迎えるのか、ぜひ自分の目で確かめてみて欲しい。

 

一方で、本作品には大きな山場のようなシーンは特になく、淡々と物語が進んでいくため、退屈に感じてしまう人もいるかもしれない。

 

時間と心に余裕があるときに、まったりと音楽を聴くかのような気持ちで視聴したい映画だと思う。

 

まとめ

正直なところ、私は群像劇を『バッカーノ!』で知った。

正確には、『バッカーノ!』が『スナッチ』のオマージュだと知り、『スナッチ』を観た。

スナッチ』視聴後に色々と調べた結果、グランドホテル方式という言葉を知って『グランド・ホテル』にたどり着いた。

 

そんな私が『グランド・ホテル』を観て最初に抱いた感想は、「思いのほかグランドホテル方式してないな」だった。

 

バッカーノ!』や『スナッチ』は、登場人物が10人以上おり、それぞれの物語がひとつのストーリを紡いでいる。

それに対して、『グランド・ホテル』は、主要な登場人物が5人ほどだった。

このため、私としては物足りなさを感じてしまった。

 

余談だが、私はこの作品をDVDを購入して視聴したのだが、特典映像に淀川長治さんの解説が収録されていた。

淀川長治とは、映画評論家のおじいちゃんで、日曜洋画劇場の冒頭で毎回盛大にネタバレをかましていた人だった。

 

私はネタバレを嫌うのと、そもそもこの人の喋り方が何を言っているのか聞き取りづらいことなどから、日曜洋画劇場を視聴する際は解説シーンを飛ばしていた。

しかし、映画好きからは人気のある人であったこと、折角購入したDVDに特典として収録されていたことから、彼の解説を聞いてみた。

 

・・・が、まったく見当違いのことを言っている様な気がしてならない。

 

考察についてではなく、シーンの説明が見当違いなのだ。

彼は解説の中で、「グルシンスカヤがガイゲルンに次々と宝石を渡した」と言っていたのだが、何度見返してもそんなシーンは存在しない。

 

二人が初めて出会うシーンについても、「カーテンの裏に隠れたガイゲルンをグルシンスカヤが見つけた」と言っているが、ガイゲルンは自ら彼女の前に姿を現している。

 

未公開シーンや初期の脚本の話なのかもしれないが、そんなことは特に言及していない

 

なんだかとてももやもやした気分にさせられるのだが、もしこの件について詳しい方がいらっしゃれば、ぜひどういうことなのか教えてくださいほんとお願いします。

 

【映画レビュー】仕事に疲れたときに観たいおすすめのサクセスストーリー:『摩天楼はバラ色に』【あらすじと見所】

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古今東西、サクセスストーリーは非常に人気が高いように思う。

仕事、恋愛、スポーツと様々なジャンルにおいて、誰しも成功し、人に認められたいという気持ちがどこかにあるからではないだろうか?

 

そこで今回は、1987年にアメリカで公開された、ビジネスサクセスストーリーである『摩天楼はバラ色に(原題:THE SECRET OF MY SUCCESS)』をご紹介させていただく。

 

ジャンルはコメディーで、主人公の「ブラントリー」を『BACK TO THE FUTURE』のマイケル・J・フォックスが演じた。

 

1. 就職先の倒産と大企業への入社

 

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田舎で育ったブラントリーは、大学卒業後、ビジネスでの成功(と女性との出会い)を夢見てニューヨーク(摩天楼)の企業へ就職を決める。

心配する両親を余所に、「ニューヨーク行きのチケットは片道でいい。帰りは自家用ジェットで戻るから」とぬかし、生まれ育った町を後にする。

 

初出勤日、就職先に出向いたブラントリーだが、そこで会社が倒産したことを告げられる。

初日に突然働き口を失った彼は、様々な企業に面接に赴くも、「経験がないから」という理由でことごとく断られてしまう。

 

都会の洗礼に絶望していた彼だったが、家を出る際に母親から伝えられた、ニューヨークで働く遠い親戚(ブラントリーの母の従兄弟の旦那の親のはとこ:便宜上、叔父と表記)の名を思い出す。

 

ドッグフードからミサイルまで、27の業種に及ぶ多国籍大企業の社長である叔父に、「経験がないと断られ続けたが、働かないと経験は詰めない」と力説し、メールボーイとして入社を許される。

 

2. メールボーイの仕事と2人の女性との出会い

 

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クリスティ(上)とヴェラ(下)

 

メールボーイの仕事は、郵便物の仕分けと社員への配送が主であった。

メールボーイ達は私服で勤務し、オフィスで働く「スーツ族」との会話を禁じられていた。

これらのことからブラントリーは、メールボーイからの昇進が難しく、会社のコアな事業に参加できないことを感じていた。

 

それでも何とか上を目指したいブラントリーは、届いた手紙や書類を盗み見ることで、業務内容や会社が抱える問題を把握していった。

夜な夜な会社の課題をまとめるなどして、昇進の足がかりを探るのだった。

 

そんな中、ブラントリーは重役を務める1人の女性「クリスティ」に一目惚れする。

しかし、立場の差から会話をすることもできず、遠くから眺めるだけの関係であった。

 

また、ブラントリーはある日、とある女性の1日運転手を命じられた。

その女性「ヴェラ」は40歳ほどであったが、自らの美貌を維持するため、たゆまぬ努力をしていた。

にもかかわらず、旦那には相手にされないばかりか、平然と浮気をされていた。

 

そんな彼女の悩みを親身に聞いていたブラントリーは、口説きとも取れるアドバイスをしたことでヴェラに気に入られ、関係を持ってしまう。

 

しかしヴェラは、あろうことか社長である叔父の妻であった。(つまりブラントリーにとって叔母に当たる)

 

3. メールボーイとスーツ族の2重生活

ヴェラとの関係をずるずると続けてしまう中、ブラントリーはチャンスにめぐり合う。

クビになった社員のオフィスで電話が鳴っていたのだ。

咄嗟にその電話でトラブルの対策を(勝手に)指示したことで、コア事業に(内緒で)関わることになる。

 

そのため、「ウィットフィールド」という架空の人物を作り上げ、メールボーイとオフィスワークの2つの業務を同時に行った。

 

無断で重役会議に出席して会社の方針に意義を唱えるなど、大胆な行動を起こしながら、着々とスーツ族としての地位を固めていくブラントリー。

 

重役であるクリスティとも徐々にと関係を進めていった。

 

4. 4角関係と2重生活の終焉

 

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仕事に対する考え方の違いから、最初は対立していたブラントリーとクリスティであったが、意見をぶつけ合うことで、徐々に惹かれあっていった。

 

しかしクリスティは既に付き合っている男がいた。

相手は社長である叔父だった。

クリスティと真剣に交際するため、ヴェラに別れを告げるも、ヴェラは中々納得してくれず、クリスティも叔父との関係を断ち切れずにいた。

 

そんな中、会社の主催するパーティーで互いの不倫関係と、無断でコア事業に従事していたことがバレ、ブラントリーはクリスティも職も失うことになる・・・

 

見所

以上が、本作のあらすじだ。

概要だけ見ると、人間関係などがドロドロしてそうに感じると思われるかもしれない。

しかし、実際はコミカルに描かれているため、悲壮感はない。

そんな本作の見所を簡単に紹介したい。

 

主人公であるブラントリーは、チャンスを掴むために積極的に行動を起こす。

その行動は、勝手に郵便物を見る、社員に紛れ込む、重役に成りすますなど、かなり破天荒なものである。

実際にはありえない行動であるが、その行動力は見ていてどこか爽快感を感じる。

現状に流されるだけでなく、自ら道を切り開くその姿を、羨ましいと感じているからなのかもしれない。

 

また、この映画はコメディーであることから、随所にシュールな演出が見られる。

美しい女性を見た際に唐突にその女性がドレス姿になる、BGMがアホっぽい、遠い親戚といわれる叔父との関係が本当に遠い等、細かな部分で笑いを誘う。

なお、2足のわらじを履くブラントリーが、エレベーター内で私服とスーツを着替えるシーンはとても印象的である。

 

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 「スーツをクリーニングに出しておいてくれ」

 

まとめ

この映画は、男向けのサクセスストーリーにありがちな、「いいタイミングでいい女を抱いたら昇進できた」という構図そのものだ。

また、主人公を含む主要キャラが軒並み不倫関係を結ぶため、そういったことに嫌悪感を抱く方は楽しめないだろう。

 

また、随所に「そんなことありえない」という飛躍的な進行を見せるため、細かく考えると納得できなくなる。

あくまで、「おバカ映画」というイメージで視聴されることをお勧めしたい。

ネタバレ防止のため、結末は表記しなかったが、その後の展開も爽快であるため、ぜひとも実際に視聴して欲しい。

 

私は、仕事に行き詰まりを感じた時や、日々に笑顔が足りないと感じた時に本作を見るようにしている。

何も考えず、登場人物のバカな行動を見て癒されるためだ。

特に、パーティーの夜、4人がそれぞれ夜這いに赴くシーンは飛び抜けておバカ感あふれるためお気に入りだ。

 

また、細かい部分だが、古い映画であるため、翻訳に時代を感じる部分も個人的に好きである。

「Wall Street Iron Man.(ウォールストリートのアイアンマンよ)」というセリフが、「ウォール街鉄人28号よ」と訳されていたりする。

現代であれば普通にアイアンマンと訳すだろうし、むしろ鉄人28号のほうがピンとこないだろう。

 

女性同士が罵り合うシーンも、部外者としてはたから見れば笑える部分だ。

ヴェラの発する「Bitch !」の発音には、毎度にやりとさせられる。

 

皆さんも仕事が中々うまくいかないとき、「摩天楼はバラ色に」を見てリラックスしてみてはいかがだろうか?

 

 

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